サンパウロに住む3人の若者をめぐる日常の物語。
日本人が勝手に思い込んでいるブラジルのイメージを一新する作品!
2014年3月29日(土)渋谷ユーロスペースにて公開!
現代の「Cores」とは「カラーズ-色」という意味ですが、この映画はモノクロです。
それゆえに色があるよりもくっきりと画面が描かれています。
30前後のルカと友人のルイスとルアラのカップル。この3人は南米最大の都市サンパウロの片隅で、地味な人生を漫然と生きています。彼等と同世代の監督曰く「大きな不安と空虚を内に抱え込んでいる」という現実を前に具体的な行動は起こせずにいる状態です。
そんな中でかすかな変化が起きるのですが....。
彼等の感じている閉塞感や無情感はそのまま今の日本の同世代にもあてはまるはず。
そして、最後の最後のあるシーンがなぜか心に残ります。
公式サイトより:
ブラジルは1964年から1985年まで軍事政権下におかれていた。民政移管した1985年に子供だった
か、まだ生まれていなかったのが、この物語の主人公たち。フランシスコ・ガルシア監督を初め、共同脚本家もプロデューサーも同世代。自分たちや周りの友人たちのエピソードを交えて脚本を書いた。
「僕たちの世代は、大きな不安と空虚を内に抱え込んでいる」と監督は言う。
地方から、仕事を求めて大きな街に集まる若者たち。10代から20代で都市へ出てくる彼らが、大都市の周縁(低所得層)を形成する。学歴もなく、簡単に解雇される仕事にしかつけない。経済成長やグローバリゼーションは高い能力を持つものには恩恵となるが、それ以外の者たちには、厳しい現実をつきつける。「ここではないどこか」「もっとマシな生活」を求めても、それを得る手段がどこにあるのかが分からない。「大卒じゃないと何をしてもダメ」というルアラに、ルカは言う。「学歴なんて関係ないさ。大学を出ても仕事がないヤツは大勢いる」。
前にも進めず、後戻りをする場所もない3人。ルカの祖母やルイスの上司、下宿屋の女主人、そして、ルアラに「夢を持て」と迫るパイロットとの関係を通して、彼らが直面する現実の閉塞感を時にユーモアを交えて描き出した希有な作品。