ドイツの新進気鋭の若手監督のデビュー作、「コーヒーをめぐる冒険」のご紹介です。
舞台は歴史と混沌の街ベルリン、主人公は20代半ば(と思われる)青年ニコ。
ニコは自称法律を学ぶ学生。親の仕送りで何をするわけでもなく「考えている」日々を送っている。
そんな彼のある1日が、様々な登場人物に彩られて描かれる。
ジム・ジャームッシュやウディ・アレンやトリュフォーが引き合いに出される鮮烈なデビュー作となったようで、なんと、ドイツのアカデミー賞6部門を受賞したそうです。
主演のトム・シリングは、物語の中でもそれを指摘されるほどドイツ人にしては小柄で華奢。どこか、ジャン・ピエール・レオを思わせる風貌で、なかなかハンサムです。モラトリアムな役柄がとても似合っています。
その他、才能を絶賛されながらも1本も作品のない役者の友だち。中学の頃に同級生だったニコたちにデブであることをいじめられた過去を持つ、今はすっかりスリムで美しいユリカ。困った上階の住人等々、総勢20名が出てきます。
そして、最後にニコがバーで出会う老人。
彼の言葉がベルリンという街を言い表しているかもしれません。
原題は「Oh Boy」ですが、邦題が「コーヒーをめぐる冒険」なのは、描かれる1日、何度も挑戦するのにニコがコーヒーを飲むことが出来ないことから付けられたのでしょう。
音楽は、監督が出会った学生のジャズ・カルテット「ザ・メジャー・マイナーズ」。
ヌーベルバーグ風です。
2014年3月1日から、シアター・イメージ・フォーラムで上映です。
詳細は
オフィシャルサイトで。