オマーラ・ポルトゥオンドの初ソロ・アルバムはフィーリンだったのです!
オマーラ・ポルトゥオンド 「マヒア・ネグラ」好評発売中!
今年も来日公演が決まっているオマーラ・ポルトゥオンドは、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の大成功で世界中で知られるようになった、まさにキューバを代表する歌手です。しかし、キューバ本国だけでなく、日本のラテン音楽ファンの間でも、彼女は何十年も前から華々しいスターで、1970年の初来日以来何度も来日し、またアルバムも多く発売されてきた、お馴染みの存在でした。
そんな大スターの彼女ですが、そのキャリアの出発点が“フィーリン”であるということは以外に認識されてきませんでした。しかし彼女は、フィーリン・ムーヴメントの最初の15人に名前を連ねた人であり、ホセ・アントニオ・メンデスやフランク・エミリオ、ラ・グラン・フェジョーベらが結成した最初のフィーリン・グループ、ロキバンビアに歌手として参加しています。その後、フィーリン・ムーヴメントの女性アーティストが集まって結成したクアルテート・ラス・デ・アイーダにも参加。その後の活躍は、ファンの方ならご存じの通りです。
本アルバムは、そんなオマーラの初めてのソロ作「マヒア・ネグラ」です。録音は、フィーリン・ムーヴメントも成熟した1958年。音楽ディレクターは、当時一番革新的なミュージシャンだったフリオ・グティエーレス。彼の指揮の下、コンボ編成を基本に曲によりストリングスなども入れつつ、多彩で練りに練られたアレンジが全編で繰り広げられています。モダーンなボレロからエキゾチシズム溢れる曲、ジャジーな曲などなど、収録された音楽はスタイルこそ多彩ですが、アルバムの最初から最後まで一貫しているのは、洗練されたモダーンな雰囲気とキューバならではの色合いの絶妙なブレンド加減。まさにフィーリンを代表する名盤です。